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獄医立花登手控えシリーズ(四) 人間の檻

獄医立花登手控えシリーズ(四) 人間の檻
著者:藤沢周平

「戻って来た罪」
 登が休みに自室でくつろいでいるといきなりふすまが開いて叔父が入ってきた。言いにくそうにしている叔父に水を向けると彦蔵の代診を頼まれた。彦蔵は天王町に住む下駄職人で一年ほど前から時折腹痛で叔父の家に駆け込み診察を受けていた。しかし彦蔵の病は快方に向かわずに腫物が悪化して寝込むようになり時折叔父が彦蔵の家に顔を見せるようにしていた。
 医者として患者の命の大切さを語るときの、人事と天命の狭間を医術で分け入る医者の顔をする叔父が登は好きだった。
身につけている医術が古いとはいえ叔父は医者なのだ。快く引き受けた登は牢医者の勤めの仕度を整えると茶の間の叔母に出かける挨拶をする。ふと叔母が叔父が彦蔵の往診に出かけたと言ったのを聞き登は先の叔父の真剣な医者としての顔は病人を出汁にして飲みに出かけたことに必死だった所為ではないかと思いやられてしまう。
 薄暗い部屋で寝込む彦蔵を診察した登は一つだった腫れ物の数二つに増え、彦蔵の体も半分になったぐらいに痩せていた。やはり叔父が言うとおり助からない病人かもしれないと思った。
彦蔵も見込みがないと諦めているのか登に話を聞いて欲しいと切り出した。しかし話の中身はむかし人を殺したという内容だった。

 三十年前、子供を浚って金を脅し取ろうとした。そのとき相棒の磯六は子供を二人殺した……。
登は三十年前のことでいまさら調べても死にゆく病人を鞭打つ必要はあるまいとも考えたが、磯六の人相風体に何か引っ掛かるものを感じた。



 叔父の一家とも親しみが増してきた四巻目です。従妹のおちえも結婚を意識し始めたのか何かと登の世話を焼きたがる場面も見受けられ、始めのころとは雲泥の差ですがそれだけ登も成長したことなのでしょう。
 立花登の話はこれで最終巻ですが、いよいよ人間の愛憎や過去の過ちといった人間ドラマがより濃厚に展開していきます。最終話「別れ行く季節」で旅立った立花登の門出を見守りましょう。

小説・歴史・時代・市井・ドラマ
新装版 人間の檻―獄医立花登手控え〈4〉 (講談社文庫)新装版 人間の檻―獄医立花登手控え〈4〉 (講談社文庫)
(2002/12)
藤沢 周平

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最新オリジナルアルバム[Stolen from strangers](2007)、[The Miraculous Mandarin](舞台:中国の不思議な役人)(2009)から、デビューアルバム[JUNE NIGHT LOVE](1983)まで、ソロでの作品からサウンドトラック、プロデュース作品、CM音楽として提供したものなど、今までの作品の中から21タイトル(09年10月現在)・各4~6曲ずつ全122曲を試聴できます。既に入手困難なアルバムもラインナップ。各曲フルレングスで聴くことができ、三宅 純の世界をPC上で体感できるパーツです。 TDKカセットテープ ADスプレンダーCM曲。アルバムjune night loveに収録されている「could it be real?」がお勧め。

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