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本との出会いを徒然なるままに綴る。

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義民が駆ける

義民が駆ける
著者:藤沢周平

 老中・首座、水野忠邦は西の丸に隠居する大御所徳川家斉に呼び出される。それは先般から内意を伝えてある川越藩松平斎典を荘内藩へと国替えを急ぐように再度言い含めるものだった。忠邦は露骨に過ぎる転封を糊塗するために川越、荘内の転封に長岡を加えた三方国替えを提案し大義名分を立てようとする。
 在国中の荘内藩主酒井忠器に替わって、江戸屋敷に赴任中の世子酒井忠発に国替えの沙汰が伝えられると、国元の荘内藩は恭順派と反対派の藩を二分する大騒ぎになるが藩の姿勢は幕命を撤回する運動に傾いていく。
 そして、藩随一の豪商本間光暉は老中から転封を聞かされ莫大な資金の用立てを要請される。また、肝煎を通じて農民たちは組織的な訴えを始めるが……。


  
 歴史の教科書にも出てくる三方国替えを描いた力作です。
徳川家斉の養子を迎えた藩は数多く、そのうちのひとつが東大の赤門にも謂れが残っているわけですが、その中のひとつの悲劇的な政策のひとつでもある三方国替えが其々の立場を鮮明に描き出されていきます。
 また、時の町奉行が矢部、遠山であったことも荘内藩には幸いしたことは間違いなく矢部はその後、この処置が禍して左遷の憂き目にあい断食して自害するに至りますが、この徳川家斉の御世がいま少しまともであったならこれほど徳川が疲弊することもなかったように思います。
 映画「七人の侍」に見られるように、最後の勝利者は徳川家でも水野忠邦の執政でもなく、ましてや荘内藩士たちでもありません。土に根付いた暮らしを送る名も無き荘内藩の農民たちであったのではないのか、そして強かだったのは本間家ともいえますが果敢にリスクをとりながら、リスクヘッジともいえる農民を先導していくさまは圧巻でしょう。

小説・歴史・時代・史実・ドラマ
義民が駆ける (講談社文庫)義民が駆ける (講談社文庫)
(1998/09)
藤沢 周平

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最新オリジナルアルバム[Stolen from strangers](2007)、[The Miraculous Mandarin](舞台:中国の不思議な役人)(2009)から、デビューアルバム[JUNE NIGHT LOVE](1983)まで、ソロでの作品からサウンドトラック、プロデュース作品、CM音楽として提供したものなど、今までの作品の中から21タイトル(09年10月現在)・各4~6曲ずつ全122曲を試聴できます。既に入手困難なアルバムもラインナップ。各曲フルレングスで聴くことができ、三宅 純の世界をPC上で体感できるパーツです。 TDKカセットテープ ADスプレンダーCM曲。アルバムjune night loveに収録されている「could it be real?」がお勧め。

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