あかでやみぬる月の光を

本との出会いを徒然なるままに綴る。

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蝉しぐれ

蝉しぐれ
著者:藤沢周平

主人公・牧文四郎の家は海坂藩・普請組。組屋敷が立ち並ぶ場所は、裏に小川が流れ裏山の木々が溢れる。ある日の夏の朝、隣の娘”ふく”が蛇に噛まれた中指の毒を吸ってやり、それが互いに忘れられない思い出となる。
 塾で書を学び、道場で剣を習うどこにでもいる少年藩士の生活が藩の後継者争いに巻き込まれたことで一変する。他の藩士12名と共に死罪になった父の遺骸を荷車で引き取りに行った帰り道、急な上り坂で難儀する荷車に手を添えたのは隣の娘”ふく”だった。

 青年となって、剣の修練に励む文四郎に同門のライバル犬飼兵馬が現れ互いに競い合う中になる、その甲斐もあってか文四郎は頭角をあらわし道場主から秘伝伝授を受ける。同じ頃、江戸に出仕していた”ふく”は藩主の目に適い、側室として”お福様”になっていた。
 それから、一年。文四郎も嫁を娶り郷村出役見習いとして出仕していたある日。里村家老からの呼び出しを受けお福様のお子をさらうように命じられる。
 文四郎とお福、藩の主導権争いが二人を危難に誘い、そして数奇なめぐり合わせを果たした二人は……。


 何をおいても情景の描写の見事さ、少年から青年へと続くスピード感がこの作品を引き立てます。
そして、少年のころの淡い恋心と友情をそのままに、藩の世継ぎに端を発する主導権争いが互いを際立たせ、確かな筆致が倦むことなく読者をとらえます。
 幼いころの隣の少女を守る。
それだけかも知れないし、それだけではないかもしれない。父の名誉やいろいろなものを守っただけなのかもしれないですが、読書後の寂寥感はなんなのだろうと心に残る作品です。

小説・歴史・時代・武士・ドラマ・TV・映画
蝉しぐれ (文春文庫)蝉しぐれ (文春文庫)
(1991/07)
藤沢 周平

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最新オリジナルアルバム[Stolen from strangers](2007)、[The Miraculous Mandarin](舞台:中国の不思議な役人)(2009)から、デビューアルバム[JUNE NIGHT LOVE](1983)まで、ソロでの作品からサウンドトラック、プロデュース作品、CM音楽として提供したものなど、今までの作品の中から21タイトル(09年10月現在)・各4~6曲ずつ全122曲を試聴できます。既に入手困難なアルバムもラインナップ。各曲フルレングスで聴くことができ、三宅 純の世界をPC上で体感できるパーツです。 TDKカセットテープ ADスプレンダーCM曲。アルバムjune night loveに収録されている「could it be real?」がお勧め。

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