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沙中の回廊〈下〉

沙 中 の 回 廊 (下)

著者:宮城谷昌光


 時は中国春秋時代。晋の名君・重耳に見いだされた士会は、兵法に“合理”を持ち込み、宰相にまで上りつめる。軍略の天才・士会の生涯を中国歴史小説の旗手・宮城谷昌光が描く、名作『重耳』に連なる歴史巨編。
「朝日新聞出版HPより抜粋。」




 士会がいよいよ本格的に活躍する山場を見せる。公子擁立から晋への亡命生活をへて、宰相に上り詰めるまでを描いた後編です。
 この物語では晋の正卿であり良くも悪くも晋の国を支え続けた宰相。「趙盾」(ちょうとん・趙宣子、趙宣孟とも呼ばれる)の人物が重くのしかかってきます。同じく宮城谷昌光氏の著作。「孟夏の太陽」では究めて善人で描かれる人なのですが、読み進めていくとそういう人物像とは大きくかけ離れていくような感じは否めません。

 また、趙盾を語る上では刺客「鞘?麑」のエピソードは外せませんが、この経緯も古くから疑問があり。
 唐の政治家・文学者の柳宗元(りゅうそうげん、Li醇・Z醇vngyu醇@n;大暦8年(773年) - 元和14年(819年))は、春秋時代の中国を扱った歴史書の一つ「国語」を愛読していたが占いに傾倒する文章を嫌って『非国語』を著しています。
 その中の一つに、趙盾が朝早く起きて礼服に着替え、つつましく出仕する前に仮眠をとっていた事で暗殺を逃れますが。果たして、趙盾の手腕は宰相として庶民に広く知れ渡っているはずなのに、朝早く起きて礼服に着替えてうたた寝することによって始めてわかるような性質のものではない。
 もしも、寝坊していたら暗殺されてしまっていたような性質のものだったのか、そのようなもので国家の運命が左右されていいものなのかどうか。

 至極、もっともと。苦言ともいえる誰でも思うであろう疑問を述べております。
「国語」は超常現象を素直に礼に習ったものと考えていて、神の恩恵や逆鱗というものを否定している時代ではないので、礼をわきまえていたから暗殺を逃れ。礼をはずしていた霊公が逆に命を危うくすると言うことなのでしょう。

 でも、私なりには趙盾は、文公(重耳)の従兄弟筋に当たり。公室の親族として取り仕切っているという態度がありありとしすぎたのではないかと思います。
もしも、徳川御三家の水戸藩のように臣従する態度であったなら、晋という国体が後に韓・魏・趙の臣下が簒奪し分裂することもなかったのではないかと思いますが
 士会の話題からそれすぎたので、この辺にしておきます。

 士会も後継者には恵まれなかったように思われ、次第に人物がいなくなっていったのはヤハリ亡国への道を歩んでいるということなのでしょうか。



小説・歴史・中国・ドラマ


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(2004/12)
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Comment

沙中の回廊 

わたしも以前に紹介したことがありますが、
宮城谷作品の中ではどうも華が少ないというか
イマイチなんじゃないかと思っておりました。
わざわざ書くまでもないかもしれませんが、
やっぱり『孟嘗君』や『楽毅』のほうが
面白いかなと思ってしまいます。
  • posted by がんじがらめマン 
  • URL 
  • 2010.08/21 20:23分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: 沙中の回廊 

コメントありがとうございます。

『孟嘗君』や『楽毅』は、ウィリアム・ワイラー監督のベン・ハーのように広大な舞台で繰り広げられるコレでもかと謂う見せ場の連続。
この2つの作品の史劇スペクタクルを上回るのは難しいですね。

それと比べるとどうしても、『沙中の回廊』はこじんまりと終わってしまった感じ。
つか、晋を描くと『趙遁』の存在が良くも悪くも邪魔になって想像の余地が狭まるのかなとも、『孟夏の太陽』のほうが活き活きとしている感じですしね。
  • posted by 緋色悠依 
  • URL 
  • 2010.08/22 14:08分 
  • [Edit]
  • [Res]

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